老人ホームの行事食の目的
行事食の目的は、おもに3つあります。それぞれ詳しくみていきましょう。
季節感を味わえる
入居者やその介護度によっても異なりますが、老人ホームにいると、1日の大半の時間をホーム内で過ごすことが多くなります。
定期的に外出が行えるよう、スタッフが同行するなどして外出することもありますが、やはり元気なころと比べると、外出する機会も少なくなり、季節の移り変わりを感じる機会も少なくなっているでしょう。
そこで老人ホームでは、食事に季節感を取り入れるようにして、季節の変化を感じられるようにしているのです。
入居者の生活の質を向上させる
老人ホームの食事は、食べやすさや栄養バランス、カロリーなどを考えて、専門家が毎日の献立を作っています。
しかし、ホーム内での生活が長くなってくると、食事にメリハリがなくなり、マンネリ感もでてくるでしょう。
行事食は見た目からしても、いつもの食事とは違いがあります。また特別感があり、いつもの食事よりもおいしく感じたり、つぎの行事食が楽しみになったりします。
食欲を増進させる
年齢を重ねるにつれて、どうしても少しずつ活動量が減っていきます。食欲は活動量に比例しやすいため、活動量が減れば、やはり食欲も減ってしまうことが多いです。
また、同じ雰囲気で、同じ部屋で、いつも食事をすることが多くなると、食事のときの変化がなくなり、食欲が落ちてしまうことも考えられます。
そこで、行事食を取り入れることによって、雰囲気や食事自体にも変化が生まれ、食欲が落ちている人でも食欲がわいてきて、たくさん食べられることもあるのです。
老人ホームで提供される行事食の例
つぎに、行事食としてどのような献立が出るのかを、月ごとに紹介していきましょう。
1月
・おせち料理・雑煮(正月)、七草がゆ
1月のメイン行事といえば、やはり1月1日の「お正月」ですよね。
お正月には欠かせない、おせち料理や雑煮、またお正月にご飯がおいしくて、食べ過ぎてしまった胃をいたわるために、1月7日には七草がゆが出されています。
雑煮なら関東風や京風がありますし、七草がゆもトッピングや味付けを変えられます。どのメニューも種類や具材が多く、見た目も楽しめるでしょう。
2月
・恵方巻(節分)、チョコレート(バレンタインデー)
2月3日の節分、2月14日のバレンタインデーにちなんで、恵方巻やチョコレートが出されています。
しかし、恵方巻はサイズが大きくて硬いことがありますし、持病がある人はチョコレートが食べられないこともあるので、そんなときは献立を工夫して作られていることもあります。
恵方巻に使われる海苔は噛み切りにくいので、海苔を使わない恵方巻にしたり、チョコレートが食べられなくても、バレンタインの雰囲気を味わえるように、食事を可愛く飾ったりしています。
3月
・ちらし寿司・菜の花浸し(ひな祭り)、ぼた餅(お彼岸)
3月といえば、3月3日のひな祭りとお彼岸ですね。
お祝いのときに食べることが多い「ちらし寿司」や、見た目が鮮やかで春を感じる「菜の花浸し」が出されています。
また菱餅に似せて作った創作料理やデザートなどが出ることもあります。
お彼岸によく食べられる「ぼた餅」ですが、餅はのどに詰まらせてしまう危険があるため、粘り気を抑えて噛み切りやすい餅に変えたり、寒天のデザートやゼリーに代用されたりすることが多いです。
4月
・お花見弁当、桜寿司
桜が咲き、お花見が楽しみになる季節です。お弁当を持ってお花見を楽しむイメージを持ってもらえるような、色とりどりの献立が並びます。
ご飯は、桜寿司やまぜご飯、たけのこの炊き込みご飯などが出されます。また明るい色を添えるために、桜エビや春野菜をふんだんに使った料理も目立ちます。
5月
・ちまき、柏餅(端午の節句)
端午の節句といえば柏餅ですが、こちらもお餅を出すのは危険なため「ちまき」を代用として出されることがあります。
また、おめでたいときに食べる「ちらし寿司」や、こどもが好きそうなオムライスやハンバーグ、鯉のぼりをイメージしたケーキなどがでます。
6月
・和菓子の水無月(夏越の祓)
6月は旧暦で「水無月」ということもあり、水無月という和菓子をいただくことが多いです。
和菓子の水無月は、ういろう生地でできているので、年配の人でも食べやすいからでしょう。
季節の食べ物として豆や夏野菜を使った料理や、梅を使った料理、デザートなどが出されています。
7月
・ちらし寿司、三色そうめん(七夕)、ウナギ(土用の丑の日)
7月7日の七夕、土用の丑の日ですね。七夕では「ちらし寿司」や、梅雨のジメジメ感や暑さを吹きとばせるような、さっぱりとした味付けのまぜご飯などがだされます。
また、そうめんを使って、いろいろな味付けのものに工夫したり、汁物にそうめんを使ったりした料理も多いです。
8月
・精進料理(お盆)、夏祭りの屋台
8月といえば花火や夏祭りが楽しみですが、暑さで食欲が落ちてしまう時期でもあります。
食欲をなくすことなく、たくさん食べてもらえるように、夏祭りの屋台をイメージしたような料理や、いつもより味の濃い料理が目立ちます。
9月
・菊花をつけた料理(重陽の節句)、押し寿司(敬老の日)
重陽の節句とは、五節句のひとつで、旧暦の9月9日とされています。重陽の節句には、邪気払いのために菊の花を使うことがあるため、菊花をあしらった料理が目立ちます。
また、栗や秋野菜を使ったご飯や一品、デザートなどもみられます。
10月
・月見団子(お月見)、かぼちゃのおかず、お菓子(ハロウィン)
10月といえばお月見ですが、最近はハロウィンの方が人気のイベントになっていますね。
ハロウィンにちなんで、パンプキンスープなどかぼちゃを使った料理やデザートなどがだされています。
11月
・炊き込みご飯、鮭(行楽の秋)
暑さもだんだんとおさまって動きやすい季節。紅葉を見がてら、散歩やピクニックが楽しみになります。
炊き込みご飯やおこわを使って、行楽弁当に見たてた料理や、きのこがおいしい季節ということもあり、きのこを使った料理も多いです。
12月
・ケーキ(クリスマス)、年越しそば(大晦日)
12月といえば、クリスマスと大晦日ですよね。
1年を通してデザート類はよく出されますが、クリスマスということもあり、いつもより豪華なイチゴのショートケーキが楽しみです。
大晦日に「年越しそば」は欠かせないものですが、そばだけでは味気ないので、栄養バランスを考えて鴨や鶏肉、大根おろしをトッピングしたおそばがだされます。
※ご紹介した料理は、あくまで主な行事食となります。行事食の内容や献立が気になる方は、入居を検討している施設へ確認されることをおすすめします。
ロングライフでは旬にこだわった食事をご提供
行事食というと、先ほど紹介したような献立が多くみられますが、ロングライフでは入居者のみなさまにもっと食事を楽しんでいただけるよう努めています。
本格的な料理を味わえる
料理人はホテルレストランのシェフ経験者などを起用し、また経験が豊富な一流スタッフが食事を担当しています。
一般的な行事食は、季節のメニューを取り入れて、四季を感じられるような内容です。
ロングライフでは季節のメニューはもちろん、旬の食材を使った料理も多く、食材自体を楽しんで、より四季を感じられるようにしています。月に一度は特別メニューもあり、飽きのこない内容にご満足いただけることでしょう。
また、ホーム内では入居者様のお祝いパーティーを開くことができ、パーティーに必要な食事の相談もできます。
健康面に配慮した食事メニューをご提案
栄養バランスの良い食事を提供できるように、食事メニューを考えて作っています。
また、持病を持っている人には、その人に合わせた食事も用意しています。持病のため、食べられるものに制限があっても、全面的にサポートしますのでご安心ください。
まとめ
食べることが楽しいと、毎日の生活もイキイキとして、食欲もわいてきます。行事食は、毎日の生活を楽しいものにするために欠かせないものなのですね。
施設によって、料理の内容や質、メニューも変わってきます。入居前に料理を試食できる施設も多いので、自分の口に合うかを確認するためにも、施設に問い合わせてみてください。
※こちらの記事は、2019年12月24時点の情報をもとにした記事です。
No.1912-13