介護が必要な場合に選ぶのは「在宅ケア」か「老人ホーム」か
在宅ケアと老人ホーム、どちらがよりご自身に合っているのでしょうか。老人ホームや在宅ケアのメリット・デメリットを紹介していきます。
※ここで挙げるデメリットはあくまで、利用目的や利用される方との相性によって生じるもののため、必ずしもすべての人がデメリットに感じる訳ではありません。あくまでも、目安として参考にしてください。
在宅ケアのメリット・デメリット
在宅ケアには、ご家族が直接介護に携わるケース、訪問介護を利用するケースがあります。ここでは主に、ご家族が介護を行うと想定して、在宅ケアのメリットとデメリットをみていきましょう。
当人のメリット
在宅ケアのメリットは、住み慣れた自宅で介護を受けられることです。同居の場合は家族と一緒に暮らしつつ介護を受けることができますし、自由度の高い介護が受けられます。
当人のデメリット
家族が介護に携わる在宅ケアでは、専門家のようなサポートはできません。そのため、介護を受ける側が介護内容にストレスや不満を抱えることがあります。また、家族という存在で距離が近いからこそ、当人が要望をなかなか伝えられないことも少なくありません。
お互いに良好な関係を築けていたとしても、いざ介護の場になるとお互いに気を遣ってしまうことがデメリットとなるでしょう。
家族側のメリット
費用的な負担が少ないことです。在宅での介護になるため、入居費用などが発生することはありません。また、家族だからこそ、当人の性格や生活スタイルを理解して、細かい要望に応えられるメリットもあります。
家族側のデメリット
中には職業として携わられている方もいらっしゃいますが、専門的な知識がないまま介護を行われている方も多いです。専門的な介護を行えないため当人の要望には応えられない部分も出てきますし、何よりご家族の負担も大きくなってしまいます。
また、当人の介護の度合いにもよりますが、度合いが高いほど、ご家族が自分のためのプライベートな時間の割合が減ってしまい、精神的な負担を感じる方も少なくありません。
老人ホームを選ぶメリット
老人ホームは、高齢者のための住まいです。在宅ケアと比較したときのメリット・デメリットを紹介します。
当人のメリット
老人ホームは専門のスタッフによる介護サービスを提供しています。専門的なサービスで当人の要望に応えられる可能性が広がりますし、なにより入居者自身、ご家族の負担にならないという安心感が得られるでしょう。
また、ほかの入居者の方など日々関わる人も変わってきます。さまざまな人との交流で人間関係を育むことも可能です。ホームで行われるイベントに参加すれば、日々の暮らしに変化や刺激を感じることもできるでしょう。
当人のデメリット
多くの人と関わることを苦手に感じる方もいらっしゃいます。特に、他人に入浴や排せつなどプライベートな部分を見られることに抵抗がある場合は、ストレスを感じやすいでしょう。
また、施設によっては門限や食事時間など制約が設けられていることもあります。施設のルールがご自身に合っていないと、ライフスタイルを変更しなければなりません。
家族側のメリット
たとえ家族であっても、気遣いや慣れない介護によって、精神的負担を感じる方もいらっしゃいます。老人ホームを利用すれば、専門的なことはすべて施設のスタッフに委ねられますので、ご家族の負担を軽減することも可能なのです。
また老人ホームでは、24時間体制で緊急時に備えた対策を行っています。もしものときにすぐに対応してくれる安心感もメリットとして挙げられるでしょう。
家族側のデメリット
施設に入居されるということは、ご自宅のようにいつでも会うことができないということです。施設によっては来訪(面会)時間が制限され、希望の時間に来訪できないこともあります。
また、老人ホームは入居のための費用のほか、月々の利用料もかかります。貯蓄に余裕がなければ、費用的に負担を感じることもあるでしょう。
老人ホームには種類がある!それぞれのメリット・デメリット
在宅ケアと老人ホームについて紹介してきましたが、老人ホームといってもさまざまな種類があります。ここでは、老人ホームごとのメリットとデメリットについてみていきましょう。それぞれの施設のデメリットについては利用される目的や相性で感じ方に違いがあるため、参考程度にしてください。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、高齢者の暮らしやすさに重点を置いた、高齢者のための住まいです。施設で一括してサービスを提供する介護付き有料老人ホーム、施設によっては介護サービスは別で利用する住宅型有料老人ホーム、自立者向けの健康型有料老人ホームがあります。
メリット | デメリット |
(介護付)
・多くの施設では24時間体制で介護を受けられる (住宅型) ・自立のうちから入居ができ、必要に応じて外部、もしくは施設内の介護サービスを利用できる (健康型) ・生活を豊かにする充実した設備が揃っている施設が多い ・サービスの充実度が高い |
・施設によって特色があり、相性を見極めるのが難しい
・サービスの充実度が高いゆえに、人にとっては金額設定が高額に感じる |
特徴は、施設によってさまざまなサービスを受けることができ、ご自身に合った老人ホームを見つけやすいということです。反面、施設数も多く、なかなか相性を見極めるのが難しい部分もあります。
充実したサービスが受けられるので、自分なりのこだわりがある方、豊富なサービスを利用したい方に向いた施設です。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、常に介護が必要な、介護度合いの高い高齢者向けの施設です。
メリット | デメリット |
・介護度が高い方も入居できる ・専門的ケアが受けられる |
・入居対象は原則要介護3以上に絞られる
・待機者が多く入居できないことがある |
条件次第では要介護1~2の方も入居できますが、介護度合いなどの希望者の状況が点数化されて優先順位が決まるため、希望通り入居できないこともあります。(要介護3以上でも、すぐに入居できるとは限りません。)
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、退院後リハビリが必要な高齢者向けの施設で、リハビリによって日常生活に復帰できることを目的としています。
メリット | デメリット |
・専門的なリハビリが期待できる ・専門的な医療やケアが期待できる |
・長期的な入所に制限がある
・リハビリメインで、施設によっては自由時間が少ない |
リハビリによる機能的な回復は見込めますが、あくまで日常生活に戻るためのサポートのため、長期的な入所には向いていませんし、定期的に状況確認があります。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーや日中の見守りサービスなどが付いた、高齢者向けの賃貸住宅です。高齢者向けに設計されている以外、通常の住宅と同じような暮らしができるため、生活面での自由が確保できます。
メリット | デメリット |
・あくまで賃貸住宅のため、規則に縛られず自由度の高い生活が送れる ・食事など施設によっては生活支援サービスが利用できる |
・介護サービスは外部に委託しなければならない
・夜間の見守りなどサービスの充実度に不安を感じる可能性がある |
自立の方など比較的心身に不安がない方には向いていますが、介護的なサービスの充実度で見れば人によっては十分とは感じられないかもしれません。
グループホーム
グループホームは、認知症高齢者向けの施設です。5~9人のグループになって、共同生活を送ります。自立を目的とした施設のため、家事分担はできる限り入居者で分担して行い、入居者自身で食事や入浴などが行えるよう、スタッフがサポートに入ります。
メリット | デメリット |
・認知症専門スタッフからのケアが受けられる ・共同生活で多くの刺激を受けられる |
・医療的ケアに対応していない
・介護度合いや認知度合いが上がると退去しなければならないこともある |
ほかの老人ホームでは少ない、認知症専門スタッフによるケアが受けられるのが特徴です。
快適なライフスタイルを追求した老人ホームへ
老人ホームには、ご紹介したとおりさまざまな種類がありますが、快適なライフスタイルを優先するなら、ロングライフの利用がおすすめです。
五感に心地良い居住空間と、入居者が安心して自由な暮らしを送るためのサービスが充実しています。ケアサービス一筋の長年の実績を持つ有料老人ホームで、必要に応じて介護を受けることもロングライフなら可能です。
さらに、ロングライフでは入居者様が快適にお過ごしいただけるよう、スタッフには3年間の研修期間を課しています。しっかりと教育を行ったうえで入居者様と接するような体制を取っているため、入居者様の背景をくみ取ったケアが可能です。
また、ロングライフではご夫婦おふたりでの入居もできます。元気なうちからご夫婦で入居されるのも良いのではないでしょうか。豊かなセカンドライフに、ロングライフでの暮らしを検討されてみてはいかがでしょう。
まとめ
老人ホーム利用のメリットは、介護の専門家によるケアを受けられること、施設によっては24時間体制でサポートしてもらえることです。老人ホームにもさまざまなタイプがありますので、ご自身に合ったものを選択してください。
※こちらの記事は、2019年11月30日時点の情報をもとにした記事です。
No.1911-09