介護でおむつ交換が必要になったら
要介護状態になると排泄に関わる介助が必要になり、寝たきりの方を介護する際には「おむつ交換」の必要性も出てきます。
ここでは、おむつ交換をする際に必要な「心の準備」と「道具の準備」について紹介します。
おむつ交換をするときの心の準備
おむつ交換の作業は、抵抗のある介護者も多く、人によっては嫌悪感を感じる場合もあります。特に、普段それほど密接な関わりがない異性などは、気恥ずかしく感じることもあるでしょう。
しかし、排泄の介護は、放っておくと悪臭を放つうえに、雑菌の繁殖など衛生面でも問題を起こしかねません。要介護者の肌に直接触れたままになっていれば、かゆみやかぶれなど皮膚疾患が生じる可能性もあります。
一方で、おむつ交換は介護者だけでなく、介護される側の要介護者にとっても精神的な負担がともなう行為です。
排泄を自分で行えず、おむつのまま生活しているのは、要介護者の自尊心を傷つける要因にもなります。抵抗感の強い人の場合、おむつを拒否して自分で外してしまうこともあります。
介護者と要介護者の関係が悪化する懸念もあるため、可能な限り精神的負担を減らせるよう、スムーズに行うことを意識しましょう。
おむつ交換で必要なもの
おむつ交換を行う際に必要となる道具も、さまざまな種類があります。衛生面に注意する必要がある作業のため、清潔なものや使い捨てられるものを用意しましょう。
・介護用エプロン
排泄物が衣服に付着しないようにするため、介護用エプロンを着用します。
個人の判断になりますが、排泄物が付着する可能性があるため使い捨てのものを使用するか、繰り返し使用する場合は消毒まで行うなど衛生面に注意が必要です。
・使い捨ての手袋
介護用エプロン同様に、排泄物で汚れる可能性があるため、おむつ交換のたびに使い捨てることをおすすめします。
調理などで使用するようなポリエチレン製の手袋は耐久力が低く、作業途中で破れてしまう可能性があるため適していません。
介護用手袋として使用するのであれば、洗剤や漂白剤などにも強いプラスチック手袋やビニール手袋がおすすめです。
・陰部洗浄用のお湯と泡(液体)タイプ洗浄剤
陰部洗浄用のお湯を陰洗ボトル(簡易シャワーのようなもの)に入れて用意しておきます。洗浄の時間を短縮するためにも、泡や液体タイプで低刺激のものを準備しましょう。
陰洗ボトルに入れ、お湯と混ぜて使えるタイプの洗浄液もあります。二度洗いの手間が削減できるので、活用してみてはいかがでしょうか。
・陰部清拭用のタオル
陰部清拭用のタオルも、使い捨てタイプの使用がおすすめです。洗って繰り返し使用するのであれば、体用と陰部用で分けて使用し、毎回漂白殺菌を行うなど清潔に保つ必要があります。
・ティッシュやトイレットペーパー
排便があったときなどは、洗浄を行う前にティッシュやトイレットペーパーである程度拭っておくと、スムーズに作業が行えます。
・新しいおむつや尿とりパッド
おむつや尿とりパッドは、おむつ交換の際に手元に準備しておきます。
・新聞紙やケアシーツ
おむつ交換を行うときにベッドやシーツを汚さないよう、要介護者の下に敷いて使用します。また、作業に使用した手袋などを包んでまとめて処分する際にも便利です。
・必要であれば、塗り薬や保湿クリームなど
どれだけ注意をしていても、おむつかぶれなどで肌荒れを起こすことがあります。その際には、洗浄して終了するのではなく、必要に応じて塗り薬や保湿クリームを使用して悪化を防ぐ必要があります。
おむつ交換の方法
おむつ交換の準備ができたら、できるだけスムーズに交換を行いましょう。ここでは、具体的なおむつ交換の手順について紹介します。
おむつ交換の手順
おむつ交換を行う前に道具を全て準備し、手袋やエプロンを装着した状態から始めるようにしましょう。
要介護者の腰の下にケアシーツや新聞紙を広げて敷いておき、おむつを外して陰部洗浄を行います。綺麗にし終えたら塗り薬や保湿クリームなどを塗布し、新しいおむつを付けます。
濡れた状態のままおむつを付けると、蒸れてかぶれる原因となる可能性があるため、清潔なタオルで水分を取ってから新しいおむつを装着することが重要です。
おむつを腰の下に敷くとき、膝を曲げて横向きの姿勢にし、腰元付近までカバーできるように広げて敷き、仰向け姿勢に戻してからサイドテープを留めて終了です。
おむつ交換の際の注意点
おむつ交換の際、いくつか注意すべきポイントがあります。陰部洗浄の際、特に女性は尿道と肛門が近接しているため、便などが尿道に入ると膀胱炎などの尿路感染症を引き起こす可能性があります。
清拭するときは、必ず尿道側からお尻に向かって拭き、細菌感染を起こさないように配慮することが重要です。
また、寝たきりの方は褥瘡(床ずれ)を起こしやすく、放置すると悪化してしまう場合があります。おむつ交換の際に皮膚状態をチェックし、褥瘡やおむつかぶれなどの皮膚疾患が起きていないか確認するようにしましょう。
そして、おむつ交換の際に声掛けを行うことも、安心感に繋がるので積極的に行いましょう。触れる際や綺麗になった旨を伝えることや、温度調整が適切か、不快感が残っていないかなど、適宜確認することが大切です。
介護でおむつ交換の負担を無くすために
乳児のおむつ交換と違い、介護でのおむつ交換は体の移動や向きを変えることも容易ではなく、介護者にとって大きな負担となる作業の1つです。
ここでは、おむつ交換の負担を軽減するためにできることについて見ていきましょう。
おむつ交換の負担
おむつ交換が負担となる理由として、1日に何度も行わなければならないことが挙げられます。大人の体の向きを変える必要があり、繰り返し行うには体力も必要です。
また、夜間のおむつ交換も大きな負担となります。十分な睡眠が確保できず、連日繰り返すうちに介護者自身が体調を崩してしまう可能性もあります。
夜間のおむつ交換は、要介護者自身にとっても睡眠が十分に取れなくなる要因となります。夜間のおむつ交換の回数を減らすために、水分摂取のタイミングや量を加減することが大切です。
また、日中に排便ができるよう浣腸や整腸薬でコントロールするのも、要介護者の睡眠の質を確保することに繋がります。
負担を減らすためにできること
介護の負担を軽減するためには、介護に関するさまざまなサービスの活用がおすすめです。
介護サービスには、デイサービスなどの「居宅サービス」や、介護老人ホームなどで行われる「施設サービス」、通所介護にも対応している「地域密着型サービス」などがあります。
介護サービスの詳しい内容については、こちらの記事をご覧ください。
介護サービスの種類一覧!サービス利用前の基礎知識
介護の負担や介護を受ける方のご意向などで、介護付き有料老人ホームへの入居をお考えの際には、ロングライフをぜひご活用ください。
ロングライフで運営している介護付き有料老人ホームでは、看護師が常勤、24時間ケアスタッフが常駐し、緊急時のトラブルにも対応しています。
おむつ交換の対応だけでなく、褥瘡などの皮膚疾患がある方の受け入れも行っています。
ご家族様とのコミュニケーションも重要と考えており、健康状態や疾患などについてしっかりとヒアリングを行い、できる限りご意向に沿うよう努めている次第です。
資料請求や見学などをご検討の際には、お気軽にロングライフまでお問い合わせください。
また在宅介護サービスを提供しているエルケアには、デイサービスなどの「居宅サービス」や、介護老人ホームなどで行われる「施設サービス」、通所介護にも対応している「地域密着型サービス」などがあります。
お気軽にエルケアまでお問い合わせください。
まとめ
毎日のおむつ交換は、介護を行う家族にとって大きな負担となる作業の1つです。また、要介護者の方の中には、排泄に関わる介護を家族にさせたくないと考えている方もいるのではないでしょうか。
プロの介護サービスが受けられる、安心の介護付き有料老人ホームへの入居を希望される際には、ぜひロングライフをご検討いただければ幸いです。
※こちらの記事は、2020年2月24日時点の情報をもとにした記事です。
No.2002-02