定年前に考えておく5つのパターン
定年後の生活について、いくつかのパターンから想定しうる問題点や自分の希望を絞り込んでいきます。
ここでは、定年後の生活における5つのパターンを見ていきながら、計画や希望の絞り方について触れています。
1.子ども・孫
子どもや孫がいる場合、それぞれとの生活や関わり方について検討しておくことが大切です。
子どもは独立しているのか、仕送りの必要性や将来的に同居するか否かなどの要素は、老後の生活に大きく影響すると考えられます。
また、孫が誕生した場合に、送迎や預かりなど子育てをサポートする必要が出てくる場合もあるでしょう。
どの程度関わっていくのか、同居をしない場合にもある程度近い場所に住むべきかなど、家族との関わり方から定年後の生活を想定しておく形です。
2.夫婦
夫婦間で定年後の過ごし方について意思を共有しておくことも重要です。
定年後は夫婦で過ごす時間も大幅に増えるため、共有できる趣味や楽しみを見つけることでより生活を楽しめるようになるでしょう。
定年後に旅行に行きたい、行く予定があるのかなど、行き先に合わせて情報収集を行うのもおすすめです。
また、子育てを終えて夫婦2人で生活していく住まいについても、引っ越しや移住を検討する方法もあります。
介護が必要になったときに備えて、リフォームを行うことも考えておくべきでしょう。
ファミリー向けの住まいでは掃除や手入れなどの負担が大きいことから、2人向けの住居へ移るのも選択肢の1つです。
重要なのは、どちらか一方が意思決定を行うのではなく、夫婦間で意見交換しながら意思をすり合わせていくことだと考えられます。
3.金銭
定年後20年以上の期間に備えて、金銭面についても想定しておかなければなりません。住宅ローンは定年後も返済が必要になるか、年金生活で返済が可能なのかなど、より具体的に算出する必要があります。
繰り上げ返済が可能であれば、早めにローンを返済する、働く世代から介護・医療に手厚い保険への見直しなども大切です。
また、元気なうちに相続について明確に意思を示しておくための遺言書の作成や、生前相続(生前贈与)などを検討する方も多くいます。
専門的な知識が必要になる部分でもあるため、自治体やNPO法人などが主催するファイナンシャルプランナーとの相談会を活用してみてはいかがでしょうか。
4.自分
定年後の生活において、自分がやりたいことを考え、周囲に伝えておくのも定年後の生活を考えるうえで重要です。
定年後にも再雇用や転職を行って働き続けるのか、新たな趣味やスキルアップに打ち込みたいと考えているのかなど、自分の意思を確認しておきます。
定年後の資金として必要となる預貯金など、金銭面で働き続ける必要がある場合もあるでしょう。
その場合には、週に何日程度働くのかなど、より具体的にイメージしておくと貯蓄の必要性などを再確認できると考えられます。
5.健康
定年後の生活を考えるうえで欠かせないことの1つが「健康面」です。
持病がある場合にはどういった医療ケアを希望するのか、介護を受ける際に家族の手を借りるもしくは施設に入居するのかなどを明確にしておきましょう。
希望する介護については、いざ介護が必要になった時点では希望が通らない可能性もあるため、健康なうちに選択しておく必要があります。
定年後に施設への入居を検討するのであれば「ロングライフ」が運営する介護付有料老人ホームへの入居がおすすめです。
ロングライフであれば健康なうちから入居できるため、定年後の趣味を楽しみながら将来の介護に備えることができます。
多彩なイベントを通じ、新たな趣味もロングライフでの生活を通じて見つけられるでしょう。
また、介護が必要になってからも提携する医療機関と連携し、日々の健康観察から緊急時の搬送まで対応しています。
入院加療が必要になった際にも居室の権利はそのまま保護されるため、退院後に居室にお戻りいただくことが可能です。
ここまでご紹介してきた定年前に考えておく5パターンの情報に加え、より具体的に老後の生活をイメージしたいという方は、こちらのページでも老後の生き方に関する情報をご紹介しています。
⇒「どう過ごしたい?老後の生き方に悩むあなたへ」
みんなの定年後の生活の希望について
定年後の希望の生活について、一般的にはどのようなものが多いでしょうか。ここでは、暮らしと楽しみの両面から、実際の調査結果を混じえて紹介しています。
暮らし
内閣府の調査によると、平成30年の調査では「老後の生活設計を考えたことがあるか」というアンケートに対し、67.8%の人が「はい」と回答しています。
そして、厚生労働省の調査では、老後の暮らしについて家族と同居もしくは近居を希望している人が多く、70歳以上では約6割以上が希望する傾向にあるようです。
自宅や近居を希望しているとはいっても、希望する場所で暮らすために必要なこととしては、5割以上の人が「医療機関が近いこと」を挙げており、住居周辺の環境について重視する意見が多く見られました。
このことから、定年後の生活について多くの方が意識して検討を行っており、住環境や同居・近居について具体的に考えていることがわかります。
参考:
内閣府「平成30年11月 老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」より
(https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000475095.pdf)
厚生労働省「高齢期の暮らし、地域の支え合い、健康づくり・介護予防、就労に関する意識」より
(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/dl/1-02.pdf)
楽しみ
定年後に再雇用を検討する方もいるのですが、あえて定年後はそのまま仕事以外の時間を楽しもうと考えられている方もいます。
厚生労働省が公表している調査結果によると、定年後に再雇用などを検討しなかった理由として、趣味やボランティアなどに時間を使いたいと回答した人が17%もいるようです。
また、内閣府の調査結果を見ると、実際に定年後など、老後の日常生活の楽しみとして仕事以外を挙げている人も多くいます。
テレビやラジオを挙げる人が最も多く約80%。「友人との時間」「食事や旅行」を楽しみたいと回答した方も3割以上にのぼります。
具体的な老後の楽しみ方に関する情報はこちらのページでも紹介していますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
⇒「老後の楽しみを見つけたい!趣味をしながら充実した毎日を」
参考:
厚生労働省「「平成30年11月 老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」より
(https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000475095.pdf)
内閣府「高齢者の日常生活における意識調査結果の概要」より
(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h21/sougou/gaiyo/pdf/kekka.pdf)
定年後の生活設計方法
ここでは、定年後の生活設計について、具体的にどのようにして組み立てていくのかについて見ていきましょう。
手順
定年後の生活設計は、手順を決めて重要度や自分の意思などを確認し、さまざまな状況を想定しながら決めていくようにしましょう。
1.定年後の自身の状況を考える
こちらの記事の冒頭でご紹介したように、貯蓄やローンの問題、孫の世話など、定年後に想定される状況を具体的に考えます。
2.何に重点を置いて生活をするのかを決める
趣味や夫婦の時間、ボランティア活動など、自分が生活するうえで重点を置きたいことについて考えてみましょう。
3.段階別に分けて健康状態を考慮した動きを決める
現在持病があるか、将来的に介護が必要になった際どのような介護を受けたいのかなど、将来の健康状態に応じた動き・対策について検討します。
4.実現可能かを検証してみる
自分の希望があっても、金銭面や家族との関係性などによっては実現できない場合もあるでしょう。どの程度の資金が必要なのか、自分と家族の意思の違いなども確認していく必要があります。
このように、手順を追って検討していくことで、定年後の生活がより具体的に設計できるようになるでしょう。
1日の時間割
老後の生活について、1日の時間割を考えてみることもおすすめです。先述した手順で、定年後の生活をイメージできたとして、それを1日に落とし込んで考えてみましょう。
仕事がなくなったことで、たとえば、起床・就寝時間や食事の時間はこれまでどおりなのか、趣味や習い事など、これまでできなかった楽しみの部分にどれほど時間をかける予定なのかなど。これらを1日の時間割を組んで、より具体的にイメージしてみてください。
そうすることで、手順に応じて想定していた経済状況で本当に対応できそうなのか、もしくはもう少し自分の好きな時間に充てられるのかなどが見えてくるはずです。
まとめ
定年後の生活について具体的にイメージしておくことで、貯蓄額はどの程度必要になるのかなど、いますべきことが明確になってきます。
自分の意思を確認し、夫婦間や子どもなど家族に相談しながら、老後の生活を安心して送れるように計画してみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は、2020年6月14日時点の情報をもとにした記事です。
№2006-01