在宅介護に無理を感じてしまうケース
在宅介護は無理だと感じてしまうのは、介護によって介護者に負担がかかることが理由として挙げられます。
ここでは、どのようなことが大きな負担となってしまうのか、介護を無理に感じてしまうケースについて紹介します。
四六時中そばにいないといけない
自分の時間が取れず、介護以外にできることが減少してしまうケースがあります。中には、自分の自由時間が取れないだけでなく、休む時間そのものがほとんどなくなってしまうケースも。
深夜頻回に起きなければならない場合や、日中全く目が離せないようなケースでは、介護につきっきりにならざるをえない現状があります。
とくに認知症の介護では、要介護者が徘徊や夜間の突飛な行動をとっているケースもあります。
急に外出して行方不明になる、財布を勝手に持ち出す、食事を摂ったことを忘れて何度も要求するなど、想定外のさまざまな行動に対処が必要です。
認知症の介護では、要介護者の症状が進行するのを抑える工夫も必要になるなど、介助以外の面でも負担と感じやすいという特徴があります。
介護を理由に仕事を退職しなければならなくなり、自身の生活環境が大きく変化することについていけないなど、「介護を続けることが無理かもしれない」と感じてしまう方もいることでしょう。
介護による疲労感が強い
介護が長期化している場合や、短期間でも四六時中見ている必要があるケースでは、負担が介護疲れにつながるケースもあります。
介護は、移乗や入浴介助など体力が必要になる場面が多くあるため、介護をしている中で腰や膝、肩などを痛めやすいのも特徴です。
また、夜間にもケアが必要な場合は睡眠不足や不眠になりやすく、しっかりとした休息が取れないことも疲労が蓄積する原因として考えられます。
さらに、責任感の強い人ほど要介護者の要望に応えきれていないと感じやすく、完璧を求めるがゆえに必要以上に負担がかかっている可能性があります。
介護による疲労感は、医療の発展・平均寿命が長くなったことを背景に、介護期間が数年ではなく10年~20年と長期化していることも要因の1つです。
心身の負担が重なっているところに、介護にかかる費用の面で経済的な負担もあり、満足に介護ができないような状況を招くと考えられます。
在宅介護に限界を感じるとどうなる?
在宅介護に限界を感じながらも介護を続けていると、介護者の精神・身体面に異常をきたすケースや、要介護者との関係性が悪化する場合もあります。
ここでは、在宅介護で無理を続けていた結果として、起こりうる影響について見ていきましょう。
社会的孤立感を覚える
介護に集中しなければならないと外出する機会が減るため、外部と接触する機会がなくなり、孤立感を覚える状況になります。
周囲に介護の辛さをわかってもらえないと思い込み、悩みを一人で抱え込んでしまう方もいるでしょう。
このように、周囲に助けを求められない状況が続くと、ますます社会的に孤立し、さらに介護を一人きりで担っていると、精神的にも負担が増してしまうことが考えられます。
とくに老老介護の状況で精神的にも孤立した状況が続くと、介護者にうつ病や認知症が発症するリスクもあります。
そうなると介護者と要介護者の共倒れをまねく可能性もあるため、周囲の家族もサポートし、孤立しないように対策していく必要があるでしょう。
要介護者との間に不和が生じる
介護では、介護者が要介護者と接している時間も長くなり、蓄積したストレスを要介護者にぶつけてしまう可能性があります。
虐待や介護放棄などのリスクが高まり、双方の関係性に亀裂が生じてしまうでしょう。
また、要介護者にも自分の要望がうまく伝わらない、思うように動くことができないストレスがあり、介護者にぶつけてしまいます。
双方にストレスをぶつけあう状況を改善しなければ、落ち着いた介護を行うこともできず、在宅介護は無理だと感じる要因になります。
在宅介護でストレスを抱え込まないようにするには
在宅介護でストレスを抱え込まないようにするには、周囲のサポート体制と本人が助けを求められる環境づくりが重要です。
ここでは、在宅介護に限界を感じる前にできる、介護者の負担軽減策について紹介します。
介護の悩みを相談する
介護の悩みを周囲に相談し、介護者が一人で抱え込まないことが大切です。介護者本人がストレスを自覚し、介護のどの部分を負担に感じているのかなど、状況を改善するために現状を整理する必要があります。
ケアマネジャーや地域包括支援センターなどの相談窓口を活用すれば、無料で相談することができます。
また、相談窓口では介護者本人だけでなく、介護者の家族が相談を行うことも可能なので、介護者が疲弊していると感じた際に積極的に活用していきましょう。
ケアプランを見直す
介護保険サービスを活用し、ケアプランの見直しを行うことも重要です。介護者の負担を減らすために「レスパイトケア」と呼ばれる考え方が広まりつつあります。
レスパイトケアは、介護者の小休止を目的に、サポーターや介護サービスの提供者が代理で介護を引き受け、一時的に介護から離れられる時間を作るものです。
レスパイトケアとして受けられる介護の支援サービスには、以下のようなものがあります。
・デイケアやデイサービス
デイサービスは、通所を通して食事や入浴、排泄介助などを受けられるもので、デイケアではそれらのサービスに加え、リハビリなどの機能訓練も受けられます。
どちらも要介護者は1日もしくは半日程度、施設を利用することができ、介護者は休息をとる時間を持てるメリットがあります。
・ショートステイ
ショートステイは、施設への宿泊を伴う介護サービスのことです。数日から最長で30日間まで利用できるため、介護者の負担軽減や体調不良などに伴う状況をサポートしてもらえます。
短期入所生活介護では、食事・入浴・排泄などの介助が受けられ、短期入所療養介護では、看護師や理学療法士による機能訓練なども受けられます。
・訪問看護・介護
訪問看護や介護では、看護師やホームヘルパーなどが直接自宅を訪問し、介護者の状況に合わせて介助や医療管理などを行うものです。
在宅で受けられるメリットがあるうえに、プロの介護方法を間近で見て学べる、不安や疑問を相談できる特徴があります。
上述のように、さまざまなサービスを活用して負担軽減を行うことが可能です。しかし、介護から完全に開放されるものではないため、それでも負担に感じる方もいるでしょう。
どうしても在宅介護が無理だと感じたときには、施設への入居がおすすめです。
ロングライフでは多くの老人ホームを運営しており、入居者様のセカンドライフを全面的にサポートしています。
24時間365日ケアスタッフが健康管理を行っており、提携先の医療機関とも連携しながら対応しています。
食事会や国内・海外旅行など、多彩なイベントを用意しているため刺激もあり、新たな思い出を作りながら楽しい暮らしを送ることが可能です。
また、ご夫婦での入居も可能なため、老老介護の負担軽減にも役立ちます。そのほか、入居者様やご家族様とコミュニケーションを通して要望をお聞きし、日々サービスの向上に繋げているのもロングライフの特徴です。
施設への入居をお考えの際には、ぜひロングライフに一度ご相談ください。
まとめ
在宅介護が無理だと感じたときには、深刻な状況を招く前に適切なサポートを受けることが重要です。
介護者それぞれにとって負担に感じている部分は異なるため、体力のいる入浴介助や介護に伴って必要が生じている日常の家事などのフォローを受けましょう。
サポートを活用しても在宅介護に限界を感じたときには、ロングライフのような施設への入居も検討してみてはいかがでしょうか。
※こちらの記事は2020年3月20日時点の情報をもとにした記事です。
№2003-07