寝たきりの方の介護でおすすめの介護方法

寝たきりの介護は家族の負担も大きく、受けられる介護サービスについて知らない部分もあるのではないでしょうか。 この記事では、寝たきりによって起きる症状や介護度、介護方法に加え、「居宅」と「施設」で受けられる介護サービスについて紹介します。


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寝たきりの症状とは?介護度について

ここでは、寝たきりによって起きる症状や介護度について紹介します。影響が出る範囲が広いため、ひとつの症状だけでなく、複数の症状が現れる可能性を留意しておきましょう。

寝たきりの症状とは?

寝たきりによって起きる、多くの症状を総称して「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」(生活不活発病とも言う)と呼びます。廃用症候群は、寝たきりの生活が続くことにより、体力や筋力の低下で症状が現れます。

特に高齢者の場合、症状が現れるスピードが早い傾向にあり、1週間程度で10%~15%の筋力低下が起こるとされています。

筋力が落ちると疲労を感じやすくなるため、動くことが億劫に感じ、さらに筋力が低下するという悪循環を招く場合もあるでしょう。

以前までできていたことができなくなると、前向きに生活していく「やる気の減衰」に繋がり、症状の悪化に繋がります。

廃用症候群では「運動器障害」「循環・呼吸器障害」「自律神経・精神障害」など、全身に症状が現れる特徴があります。

・運動器障害
筋萎縮(きんいしゅく)、関節拘縮(かんせつこうしゅく)、骨萎縮(こついしゅく)が起こり身体能力の低下

・循環・呼吸器障害
起立性低血圧(ふらつき)、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)、心機能低下、血栓塞栓症など

・自律神経・精神障害
うつ状態、せん妄、圧迫性末梢神経障害(まひ)、見当識障害(場所や日時などが認識できない)など

上述の症状以外にも、逆流性食道炎や、尿路結石・膀胱炎などの内臓・免疫機能の低下、褥瘡(床ずれ)などの皮膚疾患などもあります。

寝たきりの介護度とは?

介護度は、補助の必要度合いに応じて要支援1・2と要介護1~5の7段階に分類されます。寝たきりは要介護5にあたる段階です。

要介護4に分類されることもありますが、寝たきりで意思疎通が完全に不能となっている高齢者であれば、ほとんどの場合「要介護5」の認定となります。

日常生活において、常に支援や補助を受ける必要があるため、24時間体制での介護が求められます。家族の介護負担軽減のため、介護施設への入居がすすめられることが多いです。

また、認知症の進行度も介護認定の重要な判断材料となります。要介護5認定を受ける段階になると、認知症を持つ場合でも寝たきりになっていることが多く、徘徊の対策は必要ないでしょう。

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寝たきりの方の介護方法!利用の際のポイントは?

寝たきりの介護は、家族だけで行うには負担が大きいだけでなく、専門的な知識を必要とすることも多くあります。ここでは、居宅で受けられるサービスと、施設で受けられるサービスについて紹介します。

居宅サービス

居宅(在宅)サービスは、自宅に住んだまま受けられる介護サービスのことで、さまざまな種類があります。家族による介護で負担の大きい介助や、専門的な知識が必要となるものなど、必要に応じて活用することが可能です。

居宅サービスの種類と、サービス内容についての違いを認識し、上手く活用していく必要があります。

訪問介護

訪問介護員(ホームヘルパー)や介護福祉士(ケアワーカー)が、被介護者の自宅を訪問し、食事や入浴、排泄等の介助を行います。生活補助として、掃除・洗濯・調理や、通院のサポートを行うこともあります。

訪問入浴介護

看護師と介護スタッフ1~2名が訪問し、入浴の介助を行うサービスです。組み立て式の浴槽を設置し、入浴介助を行います。部分入浴や全身入浴など、医師の許可を受けている範囲での利用が可能です。

看護師による血圧や体温チェックののち、洗髪などの介助を行います。事業所によっては、爪切りや、シーツ交換などのサービスを行っているところもあります。

訪問リハビリテーション

作業療法士や理学療法士、言語聴覚士が、訪問による理学・作業療法を行うリハビリテーションです。介護を行っている家族へ向けて、リハビリのアドバイスを行うこともあります。

訪問看護

看護師、理学療法士、保健師が自宅を訪問し、主治医の指示のもとで必要なケアを行います。症状や病状の進行度合いを確認し、点滴や医療機器を使用・維持するなど、専門的な介護・看護が必要となります。

通所リハビリテーション

診療所や病院、介護老人保健施設などに通う形で、リハビリを行います。専用の器具を使用できるなどの利点があります。

ショートステイ

宿泊をともなう介護サービスのことで、特別養護老人ホームや介護老人施設を利用します。介護を行う家族の息抜きや、所用などの事由に対応できるサービスです。連続30日まで宿泊可能です。

そのほか、自宅で寝たきりの被介護者へのサポートとして、以下のようなものもあります。
・福祉用具貸与
・特定福祉用具販売
・住宅改修費支給
・居宅療養管理指導
・居宅介護支援

被介護者と介護を行う家族を含め、ケアマネジャーなどの専門知識を持つ人と、相談しながら利用範囲を決定することができます。

施設サービス

施設サービスは、居宅サービスと違い、施設で生活をおくりながら介護サービスを受けることを指します。部屋のタイプや施設の特徴をご紹介します。

介護老人福祉施設(特養)

特別養護老人ホームのことで、2015年より要介護3以上の認定を受けている場合にのみ入所が可能となっています。65歳以上で、自宅での介護が困難と判断された方が対象です。

介護老人保健施設(老健)

病状が安定し、退院した方を対象に、在宅復帰を目指してリハビリを重点的に行う施設です。在宅復帰が目的のため、終身利用はできません。要介護1から利用可能です。

介護療養型医療施設

病状が安定しているものの、介護や医療・看護が必要となり、長期入所が必要な場合に利用する施設で、要介護1から利用可能です。

介護医療院

長期療養が必要な方に対し、医療ケアと日常生活における介護の両方を行っている施設です。要介護1から利用可能で、喀痰吸引(かくたんきゅういん)・経管栄養などにも対応しています。

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寝たきりの方でも安心して入居できるロングライフ

ロングライフの運営している有料老人ホームでは、お一人おひとりに合わせた介護・看護サポートやサービスを提供すべく、研修を受けた専門技術を持つスタッフが在籍しています。

インテリアにこだわった居心地の良い空間も特徴で、協力医療機関とも24時間の連絡連携体制を取っており、快適な空間づくりと充実のサポートが魅力です。

ロングライフでは、要介護度に合わせたサービスを提供しています。寝たきりの入居希望者様については、お気軽に各施設へお問い合わせください。

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まとめ

寝たきりで受けられる介護サービスは、非常に多くあります。ほとんどの場合が要介護5と認定されることから、療養やリハビリを含め、介護に関わる家族の負担は計り知れません。

また、介護に関わる家族のみならず、寝たきりの状態となった本人も、自分らしい生活をおくり続けたいはずです。

受けられるサービスを積極的に活用し、ケアマネジャーと相談しながら最適なサポートを見つけましょう。

※こちらの記事は、2020年1月24時点の情報をもとにした記事です。

No.2001-03